どうも。アラフォー独身女のはんまゆです。
今回は、漫画家・ジョージ秋山さんのご冥福をお祈りする気持ちを込めて、2009年に原作をドラマ化した日テレの「銭ゲバ」の凄さをご紹介します。
極貧の家庭に生まれ育った男、風太郎が、金で幸せや愛を得るため、人を傷つけ、だまし、罪をも犯しながら突き進んでいくストーリー。
「お金ってなんだろう」
「幸せってなんだろう」
と根源的なところを、重く考えさせられたドラマで、「土曜の21時にここまでやるか」と思ったほどのインパクトでした。
主人公を演じた松山ケンイチの鬼気迫る演技は神がかり的で、まさに“銭ゲバ”。
今回は、DVDも買ったほどの衝撃を受けたドラマ「銭ゲバ」のおすすめポイントをまとめました。
Huluでも、レンタルDVDでも、ぜひ一度ご覧いただければと思います。
~ジョージ秋山さんの作品は、原作がドラマ化された「銭ゲバ」でしか触れていないため、長年のファンの方々を思うと、おこがましいことこのうえないのですが、後にも先にも、こんなに重いものを突きつけられたドラマはないので、ぜひ紹介したく、記事を書きました~
ドラマ「銭ゲバ」(2009年)のあらすじ
1970年に出版された、ジョージ秋山さんの漫画「銭ゲバ」。
私は2009年のテレビドラマ「銭ゲバ」で、そのストーリーを知りました。
ドラマでは、極貧の家庭に育った主人公・蒲郡風太郎(松山ケンイチ)が、金さえ手に入れれば、幸せを得られると、造船会社社長の娘・三國緑(ミムラ)をだまし、緑の妹で、顔の大きな痣にコンプレックスを持つ茜(木南晴夏)と結婚して、財産ののっとりを図ります。
金のためなら手段を選ばず、さまざまな罪にも手を染め突き進む風太郎が、最終話で思い描いた“幸せ”とは―。
70年に発表された原作ものちに見ましたが、ドラマは、テレビで放送できないようなエグイ部分はカットされています。
また、風太郎が雇止めにあって携帯で仕事を探したり、仕事の検索で職種も勤務地も何一つ条件をつけていないのに、紹介できる仕事はなし、と表示されて絶望したりと、現代バージョンの銭ゲバになっています。
ほんの10年ほど前のドラマですが、今改めて見ると、前年にリーマンショックが起き、不景気の色濃かった当時の雰囲気が出ているのを感じます。
ドラマ「銭ゲバ」の出演者~松山ケンイチ、ミムラ、椎名桔平~のすごみ
出演者の中でも、特にインパクトのあった3人のすごさをざっと紹介します。
★主人公の“銭ゲバ”・蒲郡風太郎役 松山ケンイチさん
ほかの若手俳優だったら、このドラマは成立していなかったと思います。
まだ結婚する前の松山ケンイチさんならではの、キレ、凄みがあります。
罪を犯し、金がなかったばかりに様々な苦しみを味あわされた世間や社会を恨む風太郎が醸し出す「何を考えているのかわからない得体のしれない男感」や、すさんだ表情など、完全に、”銭ゲバ“になっていました。
「自分がいかにかっこよく見えるか」という自意識が垣間見えるような若手俳優とは次元の違う松山さんだったからこそ、ドラマの風太郎がリアルな人物として感じられました。
★風太郎に大切な妹を奪われる緑 ミムラさん
誰からも愛され、小さいころから何不自由なく育った美しいお嬢様、緑。
風太郎とのかかわりを通じて、深い悲しみや苦悩を味わい、人の悪意を知り、世間知らずなお嬢様から、風太郎と真っ向から対峙できるくらい強さを持った女性へと変わっていきます。
生まれた時から裕福な家庭で育った人に特有の「余裕のあるふんわりした雰囲気」をまとったミムラさんは、いかにもいそうなお金持ちの家のお嬢様といった感じ。どの場面もお綺麗です。
その緑が、風太郎によってもたらされる様々な悲しすぎる出来事に遭い、憔悴し、風太郎の正体に気づき、最後には、「あなたはお金に負けているのよ!」と風太郎に吐き捨てるまでに変貌していくさまは、鬼気迫るものがありました。
★風太郎の父、健蔵役 椎名桔平さん
椎名桔平さんって、かっこいいなぁと思いますが、このドラマでは、金持ちになった風太郎の弱みに付け込み、金をたかる、ろくでもない父親役をやっています。
風太郎が心底憎むのもわかるくらい、ろくでなさかげんを存分に出しています。
でも、このお父さんも、風太郎と同様、最初からこんなろくでもない人間だったわけではなく、勤め先の会社であることがきっかけで解雇されてから、すさんでしまったのが哀しいところでもあります。
息子・風太郎にたかって、ひょうひょうと生きているようですが、終盤、息子の異変に気付き、冗談ぽく、でも、息子を救おうと言葉を投げかけるのですが…
ドラマ「銭ゲバ」しめくくり
2009年当時、土曜21時から放送されていたドラマ「銭ゲバ」。
その内容から、スポンサーが降りたり、途中、視聴率が1ケタになったりするなど、なかなか苦しいドラマでした。
でも、まともな大人は、ご都合主義の薄っぺらい恋愛ドラマや、人気アイドル出しておけばそこそこの視聴率がとれるだろう、と大したポリシーもなく作られたドラマを10回も見続けるほど、ひまではありません。
放送時、職場の先輩が、「うちの小学生と中学生の子どもが、『銭ゲバ』に毎週くぎ付けになっている」と言っていました。
「これだけは伝えたい」と思いを込めて作られたものは、必ず人の心に届くのだと改めて感じます。
いくら不幸な生い立ちだからといって、風太郎が犯した罪は決して許されるものではありません。
でも、風太郎が心の奥底から求めていたものを知った最終話は、あまりの切なさに胸が締め付けられるようで、放送当時は、観終わった後の余韻が冷めず、幸せの在り方をぼーっと考えさせられました。
ドラマの脚本は、「最後から二番目の恋」やNHKの朝ドラ「ひよっこ」なども手掛けた岡田惠和さんです。
―私は見切りをつけるのが早いので、最終回まで見続けられたドラマの数は多くありません。
また、最終回まで見逃せないようなドラマがもっと作られればなぁと思います。
それでは。
アラフォー独身女・はんまゆ
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